Last Updated on 2023-02-15 by YK
今回は発音記号(phonetic alphabet)の子音編です。
アメリカ英語の母音は17個でしたが、子音は全部で24個あります。
日本語の子音の場合は単体で使われることはありませんが、英語では子音だけで使うことがあります。
この24個も音の出し方の系統で6グループに分かれています。
- 閉鎖音(破裂音) p、b、t、d、k、g
- 摩擦音 f、v、θ、ð、ʃ、s、z、ʒ
- 破擦音 tʃ、dʒ
- 鼻音 m、n、ŋ
- 側音 l
- 半母音 j、w、r
母音については下記の記事をご覧ください。
日本語の場合、カ行を例で見てみると、ローマ字にすると「ka、ki、ku、ke、ko」のように子音+母音がセットで一つの音になっています。
英語の場合は少し違い、(ka)の場合もありますが、(k)だけで発音することがあります。
例としては、話す「talk(tɔːk)」の最後の「k」の発音は、(ku)ではなく(k)です。「ク」というよりは「クッ」のように非常に短い音になります。母音は伸ばせますが、子音だけの場合は伸ばせません。
そのため英語は母音だけではなく、子音も発音記号を覚えないと正確に単語を発音することができません。
では早速個別に見ていきたいと思います。
Contents
閉鎖音(破裂音) p、b、t、d、k、g
まず一つ目は閉鎖音(破裂音)です。全部で6個ありますが、基本的には日本語の発音に似ているものがほとんどです。
ただ大きな違いとしては、日本語と比べるとすべて短い音で発音される点です。日本語だと子音と母音はセットですが、母音を入れずに発音できることがポイントです。
【p】
日本語のパ行の音に似ています。日本語よりはより唇を破裂させて発音します。小さい「ッ」がつくイメージです。
特に下記の「up」については、カタカナのアップのように最後のpをpuとして発音してしまうと通じなくなってしまうので、子音だけで発音することが重要です。
pen(pen)、plan(plæn)、up(ʌp)
【b】
この音は日本語のバ行で、「p」同様に日本語よりも唇を強く破裂させて発音します。
box(bɑːks)、 boy(bɔɪ)、 Bob(bɑːb)
【t】
この発音記号は日本でいうところのタ行(タ、ティ、トゥ、テ、ト)のイメージです。後ろに母音がない場合は注意が必要です。
talk(tɔːk)、tell(tel)、table(ˈteɪ.bəl)、it(ɪt)
【d】
この発音記号は日本でいうところのダ行(ダ、ディ、ドゥ、デ、ド)のイメージです。
dad(dæd)、dinner(ˈdɪn.ɚ)、dual(ˈduː.əl)、desk(desk)、door(dɔːr)
【k】
この発音記号は日本でいうところのカ行の音です。
cut(kʌt)、kid(kɪd)、cool(kuːl)、cake(keɪk)、cold(koʊld)、sick(sɪk)
【g】
この発音記号は日本でいうところのガ行の音です。
gap(ɡæp)、give(ɡɪv)、google(ˈɡuː.ɡəl)、get(ɡet)、goal(ɡoʊl)、big(bɪɡ)
摩擦音 f、v、θ、ð、ʃ、s、z、ʒ
次は摩擦音です。これらの音は、空気が擦れたような音になります。それぞれ出し方に特徴があるので一つずつみていきたいと思います。
【f】
fの発音は上の歯で少し下唇を噛んで息を出して発音します。フ行に違いですが、下唇を噛んで少し擦れた音になります。
far(fɑːr)、feel(fiːl)、food(fuːd)、face(feɪs)、fork(fɔːrk)、if(ɪf)
【v】
vの音はfに違いですが、濁ってヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォとなります。f同様に下唇を軽く噛んで発音します。
vaccine(vækˈsiːn)、vintage(ˈvɪn.t̬ɪdʒ)、vector(ˈvek.tɚ)、voice(vɔɪs)、 give(ɡɪv)
【θ】
θの発音は日本語にはありません。上下の歯で舌を噛んで発音します。サ行やタ行に近いですが、舌を噛んでいるので摩擦音になります。「Thank you」など「th」で使われます。
thank(θæŋk)、this(ðɪs)、therapy(ˈθer.ə.pi)、thought(θɑːt)、fourth(fɔːrθ)
【ð】
ðの発音は上のθの発音に近いですが〃がつきます。ザ行やダ行に近いです。θ同様、しっかりと舌を上下の歯で挟んで発音します。
that(ðæt)、this(ðɪs)、they(ðeɪ)、those(ðoʊz)
【ʃ】
次は「sh」のスペルで使う「ʃ」です。カタカナだとシャ、シ、シュ、シェ、ショに近いです。日本語の発音よりも、歯の間から空気をより強く出しながら発音します。
shall(ʃæl)、 ship(ʃɪp)、she(ʃiː)、shoot(ʃuːt)、 shell(ʃel)、show(ʃoʊ)、wish(wɪʃ)
下の「s」の発音とよく混同されます。あえてカタカナで表すなら、「ʃ」の発音は「シ」で、sは「スィ」となります。よく間違えて発音してしまうので注意が必要です。
【s】
sはサ行ですが、「サ、スィ、ス、セ、ソ」となります。
sack(sæk)、sick(sɪk)、see(siː)、suit(suːt)、sell(sel)、sofa(ˈsoʊ.fə)、case(keɪs)
【z】
zの発音記号はザ行ですが、「ザ、ズィ、ズ、ゼ、ゾ」となります。一点、ズィとジを混同しないように注意が必要です。zは「ジ」「ズィ」に近いです。
Zambia(ˈzæm.bi.ə)、zip(zɪp)、zoo(zuː)、zephyr(ˈzef.ɚ)、zone(zoʊn)、is(ɪz)
【ʒ】
ʒの発音記号はジャジュジョに近い音です。
pleasure(ˈpleʒ.ɚ)、collage(ˈkɑːlɑːʒ)vision(vɪʒ.ən)
【h】
摩擦音の最後は「h」です。この音は日本語のハ行に近いですが、日本語のハ行よりも息を強く吐いて発音します。
have(hæv)、hit(hɪt)、hood(hʊd)、head(hed)、hole(hoʊl)
破擦音 tʃ、dʒ
【tʃ】【dʒ】
この二つはカタカナで表すとそれぞれ「tʃ」チヤと「dʒ」ジャに近いです。
【tʃ】 chance(tʃæns)、chip(tʃɪp)、choose(tʃuːz)、check(tʃek)、choice(tʃɔɪs)
【dʒ】 Japan(dʒəˈpæn)、jigsaw(ˈdʒɪɡ.sɑː)、juice(dʒuːs)、joy(dʒɔɪ)
「dʒ」と「ʒ」はカタカナで表すと「ジャ」で発音が似ています。
二つの違いは音を伸ばせるか伸ばせないかです。「dʒ」はJapanのJaのように強くはっきり短く発音します。逆に「ʒ」のpleasure(ˈpleʒ.ɚ)のジャーはそこまで強くないので伸ばして発音できます。
「dʒ」は単語の最初のみ、「ʒ」は単語の最初では使われず途中か最後の音で使われると覚えておけばOKです。
鼻音 m、n、ŋ
続いては鼻から音を出す「m」「n」「ŋ」の3つです。
【m】
mの音は日本語のマ行の音に近いですが、より鼻から出すクセのある音です。上と下の唇で歯を巻き込んで発音するのがポイントで、mの前に小さく「ン」を入れると伝わる発音になります。たとえばmakeの場合は、メイクではなく「ンメイク」となります。
mother(ˈmʌð.ɚ)、milk(mɪlk)、mood(muːd)、make(meɪk)、mall(mɑːl)、gym(dʒɪm)
【n】
nもm同様に鼻から音を出す感じでンヌとなります。舌で上顎を軽く押しながら発音します。
not(nɑːt)、need(niːd)、noon(nuːn)、net(net)、no(noʊ)、town(taʊn)
【ŋ】
ŋはnに近いですが、最後に「ング」というイメージで発音します。グは強く発音せずかなり弱く発音します。現在進行形のingの発音で使われます。
king(kɪŋ), playing(ˈpleɪŋ), talking(ˈtɔkɪŋ), England(ˈɪŋ.ɡlən)
側音 l
次はLの発音記号です。
「l」
lは日本語のラ行に近いですが、上の歯の裏を舌で強く押しながら発音します。比較的出しやすい音です。
last(læst)、lip(lɪp)、loop(luːp)、let(let)、lot(lɑːt)、tall(tɑːl)
半母音 j、w、r
最後は半母音という母音と子音の両方の特性を持つ発音です。j、w、rの3つで特に「r」は日本語にない発音で苦戦する人が多い発音です。
【j】
jの発音記号は、jなのでジャに見えますが、カタカナで表すとイャ、イェ、ユ、イョです。
yacht(jɑːt)、yes(jes)、you(juː)、yo-yo(ˈjoʊ.joʊ)
【w】
wはヲに近いですが、口を丸めてさらに唇を尖らせてヲゥと発音するイメージです。
what(wɑːt)、we(wiː)、wool(wʊl)、wet(wet)、water(ˈwɑː.t̬ɚ)
【r】
rの発音はラ行のイメージが強いですが、日本語のラとはかなり異なり、舌を丸めて舌がどこにも触ってない状態でゥラと発音します。日本語のラは上顎に舌をくっつけて発音するのでそこが大きく異なる点です。
right(raɪt)、river(ˈrɪv.ɚ)、rule(ruːl)、red(red)、rock(rɑːk)
RとLの発音の違い
カタカナでは「r」も「l」もラ行の音で表しますが、「r」は舌をどこにも触れていない状態で発音し、「l」は上の歯の裏に舌を押し付けて発音するのが大きな違いです。
まとめ
子音は数が多いので覚えるのが大変ですが、一つずつしっかり覚えていけば、よりネイティブに通じる発音になるので、声に出して練習しながらゆっくり覚えていってください。
母音については、初心者が英語の発音を良くする方法 発音記号(phonetic alphabet)ガイドをご覧ください。
また今回の発音記号のベースは、「Cambridge Dictionary」のアメリカ発音を参照しています。ご興味のある方は、そちらで発音も聞けますので試してみてください。