Last Updated on 2023-03-01 by YK
英会話の勉強をしているといくつか壁が出てきます。今回はスピーキングの壁についてです。
勉強を始めたばかりから中級レベルまで様々な壁があり、スピーキングを伸ばすためにはその壁を超える必要があります。
私たちが大人になってから英語を勉強する場合、赤ちゃんが自然と英語を吸収して覚えるのと同じステップで習得するのは、義務教育で習った英語の影響もありとても難しいです。
私の周りでは5歳でアメリカに移住した人、10歳で移住した人、中学で移住した人がいますが、向こうに行った年齢で人間性や英語の感覚に違いがあります。
これは発音だけではなく考え方や論理であったりどこの国の文化に軸足があるかも要因になっています。
大人になってからアメリカやイギリスに行ってネイティブと遜色ない英語力を身につけた人もいますが、それでも自然に欧米の文化で成長したバイリンガルと、日本人としてのアイデンティティが確立された後に英語を学んだ人の感覚には根本的に違います。
どちらが優れているかということではなく、「バイリンガル」と「日本人でネイティブレベルに英語の話せる人」という単純な違いです。
そのため、大人になってから英語を学ぶ人が、バイリンガルや英語圏で生まれ育った人と同じように日常生活の中だけで自然と英語を習得するのは難しいので、義務教育で習った英語の知識を活用しながら効率よく英会話の勉強を進めていくほうがベターだと思います。
Contents
スピーキングが上達していく過程
リスニング能力や単語力、文法以外の問題でスピーキングが上達しない場合は、まずはどこで躓いているかを知る必要があります。
スピーキングにおいては、「質問に対してYesかNoなど、単語で返答できる」「文で返答できる」、そして最後に「パラグラフ(段落)で話せる」というステップがあります。
自分がどの段階で難しさを感じているかを理解し、それに対する対策を行うと壁を乗り越えることができます。
ではそれぞれのレベルごとの状態を見ていきたいと思います。
質問に対しYesかNo、または単語でしか返答できない
初めて英会話の勉強をする人は、少し英語に慣れると、なんとなく相手の言わんとしていることが雰囲気で理解できるようになり、質問にYesかNoで答えられるようになります。
相手は大体、文やパラグラフで話してきますが、最初から全部を理解することはできないので、感覚で大まかな内容をつかみ、とりあえずYesかNoかの意思表示をできる段階です。
始めての海外旅行やホームステイに行った時がこの感覚に近いと思います。「Are you Hungry?」に対して「Yes」か「No」で単語一つで返答できる感じです。
少し慣れると「Yes、hungry」など単語を並べて返答できます。
語学学校に通うと英語に慣れてすぐに単語で返せるようになります。
文で自分の意思を言える
次に初中級(Pre-intermediate)の場合は、相手が言っていることに対して、文で返答できるようになります。
たとえば、相手が今日の晩御飯の話をしているとして、「おなかは減ってる?」と聞かれた際、初級の人は、Yesというのが精いっぱいですが、初中級の人は、「Yes, I’m hungry」と単語をつなげて文で返せるようになります。
より中級レベルに近づくと、その文章を別の文とつなげて、「Yes, I’m hungry. I want to eat something.」にように文章を合わせて情報を伝えることができますね。
さらに上のレベルになると、より複数の文をつなげて話せるようになり、ここまでくるとかなり詳細に物事の説明をすることができるようになります。
例でいくと、「Yes, I’m hungry. I want to eat something. Do you want to order ~?」というイメージです。
これより上のレベルの人は十分英会話ができるレベルにあるため、より高度なスピーキングのテクニックを学ぶのが良いと思います。英語のレベルというよりもコミュニケーションレベルを上げていくしかないですね。
話を戻しますが、ではそれぞれの壁に対してどのような練習をすれば乗り越えられるかについて記載したいと思います。
それぞれの対策と練習方法
英語だと緊張して言葉が出せない人向けの練習方法
多少慣れてくると、聞いた言葉のオウム返しで単語を発することができるようになるので、ひたすら英語を話せる場所に顔をだし、できる限り英語に触れる機会を持ってください。
よく使う単語をピックアップして単語ごとに発音の練習をすることも効果的です。英語のアプリなどを使用して、アプリの質問にゆっくり声にだして返答する練習をするのも効果ありです。
英語になれるためには英語を声に出すことが重要です。
単語では答えられるのに一文で話せない人の対策
Whの質問に対して文で答えることができるようになる練習が必要です。
What is he doing?に対して、仮に「彼は歌っている」と言いたいときは、Singingではなく、He is singing a song.
Who is she?という質問に対しては、「my friend」と答えるのでなく、「She is my friend.」 など簡単でいいので常にフルセンテンスで答える練習をしてください。
Whの質問はWhat, Where, When, Which, Who, Whyで始まる質問が該当します。
最初のバイリンガルやネイティブの話と少し矛盾してしまいますが、ネイティブの小学生でも単語だけで答えてしまうことが多く、改善するために練習しています。
アメリカの小学生が受けるライティングの授業に関連して、フルセンテンスで答えることの重要性を教育に関する情報サイトのTaughtCoでも下記のように説明しています。
In language arts lessons, elementary school students learn that writing allows them to communicate ideas. But to do it effectively, they must understand the essential elements of good writing. This begins with sentence structure and unambiguous language that readers can easily comprehend. Some young students can find writing laborious. So, they often subconsciously rely on clipped answers in response to a writing prompt. For example, in a getting-to-know-you exercise at the beginning of the school year, you may ask your students to write answers to a few questions: What is your favorite food? What is your favorite color? What kind of pet do you have? Without instruction, the answers will likely come back as pizza, pink, or dog.
Now you can demonstrate to your students how, without context, those answers could mean something different than the writer intended. For instance, pizza could be the answer to any number of questions, such as: What did you have for lunch? What food do you hate? What food does your mother never let you eat? Teach students to answer questions in complete sentences to add detail and accuracy to their writing. Show them how to use keywords in the question itself as a cue when formulating their answer. Teachers refer to this technique as “putting the question in the answer” or “turning the question around.”In the example, the one-word statement “pizza” becomes a complete sentence, and a full thought, when the student writes, “My favorite food is pizza.”
ThoughtCo. The Importance of Answering Questions in Complete Sentences
質問に対してフルセンテンスで答えるにはコツがあります。
英語の場合、質問に一部の答えがすでに入っており、質問の順番を入れ替えるだけで簡単にフルセンテンスで答えることができます。
下にある一問目のWhat is your favorite thing to do?に対しては、まず”your favorite thing”の”your”を”my”に置き換えてから語順を入れ替えます。すると”My favorite thing to do is…”となり、すべて同じ要領でフルセンテンスで答えることができます。
簡単に見えますが、これがしっかり身につくと常にフルセンテンスで答えることが習慣になるので、のちのスピーキング力にも効いてきます。
What is your favorite thing to do?
Answer: My favorite thing to do is …
Who is your hero?
Answer: My hero is …
Why do you like to read?
Answer: I like to read because …
Who is the most important person in your life?
Answer: The most important person in my life is …
What is your favorite subject in school?
Answer: My favorite subject in school is …
What is your favorite book to read?
Answer: My favorite book to read is …
What are you going to do this weekend?
Answer: This weekend, I’m going to …
What do you want to do when you grow up?
Answer: When I grow up, I want to …
ThoughtCo. The Importance of Answering Questions in Complete Sentences
また、正しい文法が理解できると必然的に文で話せるようになるので、下記の記事にあるテキストもおすすめです。
文で返答できるが、段落にできない人向けの練習法
複数の文をつなげて自分の意見を伝えるためには、いかに正確に文をつなげて短いパラグラフを作れるかが大切になってきます。このレベルになると説明力を鍛えるためライティングのトレーニングにも通じるところがあります。
日本語の場合は理由を言ってから結論を言いますが、英語の場合は結論を言ってからそれをサポートする理由や情報を付け加えます。まずはその構造を理解することが重要です。
結論
↓
理由
「~がです。なぜなら~だから。」が基本形になります。
こちらの説明力と自分の意見を効果的に伝える勉強方法については関連記事のTEDでのスピーキングの勉強法もご覧ください。
まとめ
壁にぶつかって停滞してしまうと勉強に飽きてしまい英語をやめる原因にもなりますので、ぜひ上記を参考に次のステップへ進んでください。
スピーキングが伸びると英会話の学習ももっと楽しくなります。
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