Last Updated on 2023-02-14 by YK
日本での英語教育について「よく意味がない」「やっても話せるようにならない」と言われますが実際どうなんでしょうか。
日本での英語教育は決して無駄なものではなくちゃんと勉強すれば英会話においてもある一定の効果を見込めると思います。
ただし日本での英語教育は文法や試験対策に重きを置いているので文法や語彙を覚える勉強が大半となり、突き詰めて勉強してもそれだけでは決して英語が話せるようにはなりませんので、話すためのトレーニングは別で行う必要があります。
では具体的にどのような理由で効果がないのかお話ししていきたいと思います。まず最初に認識しておきたい点として、日本の英語教育は話すことを目的にカリキュラムが組まれていないということです。
Contents
中学校や高校での英語教育の目的は英語を話すことではない
日本の中学校や高校での英語教育はあくまでも大学受験に向けたものでありライティングや穴埋め問題をいかに速く正しく解けるかを念頭に置いた学習内容です。学習塾も同じだと思いますが、「この単語がある時は過去分詞を使う」、「この動詞の場合はwithを使う」など、英文法のルールを覚えることがメインになっています。
話すために作られたカリキュラムではないので、それだけで話せるようにならないのは逆に自然かもしれません。
日本の英語教育だけでは英文法オタクになってしまう可能性あり
仮に日本での英語教育をベースにずっと同じ方向性をもって勉強を継続していった場合にどのようなスキルが身につくかというと、コミュニケーションツールとしての英語ではなく英文法マスターとしての英文法を極めることになります。
つまり、英文法だけを勉強しすぎると結果として英文法オタクになってしまいますね。私は英文法が好きな英語オタクなので日本の英語の授業は楽しかったです。
良い面としては、TOEICなどの資格テストではリーディングや英文法の問題も多いので、資格試験ではかなり役に立つのではないでしょうか。
英語と英会話の勉強方法は別もの
上手に英語を話せる人と英語オタクの違いを説明したいと思います。
英語の文法を学び続けることによって英語の知識は増えていきますが、それは英語を話せる人になるための勉強ではなく、仮にスポーツで例えると将来なりたい仕事が選手か審判なのかぐらい違ってきます。
英語を話す人になるという事は実際にプレイする側の選手になるということになります。
例えばサッカー選手であればサッカーのルールを理解することは重要ですが、試合で効率よくプレイできるようにルールを覚えるだけで、ルールを完全に理解しているからといって良いプレイヤーであるとは限りません。
英語を話すときは状況に応じて相手にリアクションを取ったり相手の考えを理解した上で柔軟に自分が説明するなど状況により臨機応変に対応することも必要です。選手も同じだと思いますが、そのスポーツ自体やルールの知識があることよりも、実際の試合で上手くプレイできる能力が最も重要になります。
逆に受験勉強で文法や語彙を覚える事はスポーツのルールを覚えることに似ていますので、どちらかと言えば審判になりたい人が必要な知識を学んでいるのに近いですね。
スポーツの審判の方はルール対しての広い知識が求められ、全てのルールを覚えて厳密に理解する必要があります。役割が違うので審判の方にはサッカーが上手いか下手かは関係ないですね。
話を英語に戻しますが、でもこのルールを覚える勉強が英語を話すことに全く意味が無いかというと、そうではなく部分的には有効活用できます。
スポーツでもルールをちゃんと理解していればより効率よくプレイできますし、最も大事な点としてルールを知らないとまず選手としてもプレイできないですね。
ですのである程度知識を深める事は決して無駄では無いですが、知識だけを詰め込んでもサッカーの技術は一切伸びません。
日本での教育をベースに英文法の勉強を続けていくのは趣味の一環やそういったことが好きな方であればいいと思いますが、英会話を上達させたい人にとっては一定レベルまで進むと限界があります。
ヨーロッパでは話すための英語教育が行われている
日本の英語教育はよく海外の英語教育と比較されますがヨーロッパで行われている英語の教育は話すためのものであり、日本の英語の教育は受験勉強のためのものです。ヨーロッパの人はそこまで文法にこだわっていませんが、実際に英語を話せる人が多いですね。
ですので自分が英語を使って何をしたいのかをもう一度考え、英会話を上達させたいのであれば英会話ができるようになる練習をする必要があります。
何を目的に勉強しているかを正しく認識せずに努力を続けても結果にはつながりません。
前述の通りスポーツ選手としての能力と審判としての能力はかなり違いますので、プレイヤーになるためには実際に人と英語を使って話して練習するしかないのです。
語彙と文法は中学校で習った英語で十分
では具体的に学校で習った英語がどのように英会話に役立つのかを見ていきたいと思います。
実は一般的な友人との会話で使用する英語の文法や単語は中学校や高校で教わった内容で十分通用します。
問題点としては、中学英語の内容を実際に使えないことにありますので、その内容を使えるようになれば万事OKです。
ヨーロッパでの英語教育とも通じるものがありますが、ヨーロッパでは複雑な文法などには目を向けずシンプルな文法にフォーカスし、後は実践で学んでいく形になります。もちろんボキャブラリーは徐々に増やしていく必要はありますが、都度辞書で調べていけば本当に必要な頻出単語は嫌でも自然と覚えられますし、基礎文法を使って話せるようにになっているので、後から複雑な文法を学ぶ際もイメージがつかみやすくなります。
日本語も同じだと思います。私たちが普段話している話し言葉においては、そこまで難しい単語は使っていませんし、文法も非常にシンプルです。少なくとも私は1日を振り返っても、大半はあまり大した話はしておらず難しい単語なども使用していません。
本や文章を書くとなると少し話は変わってきますが、旅先で外国人と話したり、日本で道案内や軽い世間話をする程度であれば、すでに知っている英単語と文法を活用するだけで十分通用します。
中学英語の単語と文法を使えるよう練習する
一人でできる具体的な練習法としては、下記の2点をおすすめします。
中学英語の単語と文法を思い出す
よく書店で「中学英語でペラペラ」のような本も売っていますので、そちらで昔習った文法を思い出す作業をしてください。SVOなど本当に簡単な内容だけで構いませんので、どれが主語でどれが動詞かなど、あとは出てくる簡単な単語を丸覚えしてください。
中学英語の単語と文章を声にだして発音する
とにかく発音することが重要です。その本にある英文や単語をすべて声に出して読んでください。CD付きのものがあると真似できるのでより良いです。CDがない場合でもインターネットで単語を検索すると発音してくれますのでなくても大丈夫です。
ポイントとしては、音を聞いた後一人ごとのようにつぶやくように自分に話すのではなく、目の前に人がいると仮定して発音してください。
発音は下手でも気にせずCDの音をゆっくり真似していけば必ず上達するので最初はあまり気にしなくて大丈夫です。
慣れるまで少し恥ずかしいかもしれませんが、英文を見ながらでもいいので、なるべく人に話す時くらいの音量で発声するようにしてください。
これは本当に大事なトレーニングで、英語を知識という頭の中で「考えるもの」から、実際に「行うもの」へと認識を変えていく作業になります。慣れてきたら単語や1文ではなく、ニュース記事などを声にだして読むこともおすすめです。
こちらのBreaking News Englishのサイトでは英語学習用にニュース記事を細かくレベル別に分けたものがたくさん用意してあります。無料で使用できるのでレベル別の記事をいくつか読んでみて、使いやすいレベルの記事を使用して音読してください。
すでに文法に自信がある人のための英会話スクール
中高や大学受験で英語をしっかり勉強しきて、英文法に自信がある人はどのような勉強をすればいいのでしょうか。
中学高校大学などで習った英文法に知識を生かして英会話のスキルを伸ばしたい人には、下記のスクールがおすすめです。いきなりこれまでに学んだことをリセットして新たな手法で英会話の勉強に取り組みましょうとなると非常に厳しいので、学校で習う英語教育を生かしたカリキュラムを持っている下記のスクールがおすすめです。
特に子供の英会話教育にも強いスクールなので、実際に学校で行われている勉強と日本人にとって英会話に必要な練習方法をバランスよく取り入れたカリキュラムやテキストがあるので日本人には安心です。
ECCにはENVISIONという初級者向けのコースがあります。ENVISIONは中学と高校で習った英語をしっかり使えるようにするコースなので、初級者の人には特におすすめです。ECCの詳しい記事は【ECC外語学院】子供の頃からなじみ深い英会話スクールもご覧ください!
イーオン
まとめ
最後になりますが、知っていることとできることは異なるため、知っていることをできるようなることが日本の英語教育を活用するために必要なこととなります。
このトレーニングは一人でも英会話スクールでも行えるので、ご自身に合った方法で楽しみながらどんどん練習してください。