今回は、英語力を測れる英語の試験について各種類の特徴を解説します。
英検、TOEIC、TOEFLなどは比較的有名ですが、そのほかにも種類があります。高校や大学への留学や転職など目的によって必要なテストは変わってきます。
では早速それぞれのテストを見ていきたいと思います。
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英検(実用英語技能検定)
まずは英検ですが、英検は公益財団法英語検定協会が運営している英語テストです。文部科学省が後援していて日本で最も有名でかつ受験者数も多い英語テストです。
2021年4月~2022年3月にかけて4,102,668名が英検を受験しています。特に中学生と高校生の受験者数が多く全体の70%ほどを占めています。
英検は、英語外部検定利用入試に利用できるので、中学生と高校生の受験数が多く、さらに今後採用する大学も増えていくので、受験者数は増えていくことが予想されます。
英語外部検定利用入試にはTOEFLやIELTSのスコアも対象ですが、全体の9割は英検が占めています。
日本人に最も認知された英語テストであり、英検の資格は履歴書にも書くことができます。
受験費用は、受ける級によって異なります。
- 1級:11,800円
- 準1級:9,800円
- 準2級:7,900円
- 3級:6,400円
- 4級:4,500円
- 5級:3,900円
英検の級
英検は、一番高い級が1級で、5級まであります。1級と2級にはそれぞれ準1級と準2級があり、合計7級あります。
級 | 推奨目安 | 程度 |
---|---|---|
1級 | 大学上級程度 | 広く社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる。 |
準1級 | 大学中級程度 | 社会生活で求められる英語を十分理解し、また使用することができる。 |
2級 | 高校卒業程度 | 社会生活に必要な英語を理解し、また使用することができる。 |
準2級 | 高校中級程度 | 日常生活に必要な英語を理解し、また使用することができる。 |
3級 | 中学卒業程度 | 身近な英語を理解し、また使用することができる。 |
4級 | 中学中級程度 | 簡単な英語を理解することができ、またそれを使って表現することができる。 |
5級 | 中学初級程度 | 初歩的な英語を理解することができ、またそれを使って表現することができる。 |
英検のテスト内容
1級から3級までは、筆記、リスニング、面接があり、4級と5級は面接がなく、筆記、リスニング、録音形式のスピーキングテストがあります。
年3回受験できます。
1級 | 筆記、リスニング、面接 |
準1級 | 筆記、リスニング、面接 |
2級 | 筆記、リスニング、面接 |
準2級 | 筆記、リスニング、面接 |
3級 | 筆記、リスニング、面接 |
4級 | 筆記、リスニング、録音形式のスピーキングテスト |
5級 | 筆記、リスニング、録音形式のスピーキングテスト |
TOEFL®
TOEFL®テストは、正式にはTOEFL iBT®で、iBTはインターネットで受けるテストの意味です。海外の大学や大学院への入学を目指す人が受ける英語試験です。
TOEFLは、これまでに世界中で3,500万人以上、日本でも100万人以上が受験しています。
大学や大学院で英語で学ぶ力を測ることができるテストです。世界基準の英語テストでアメリカ・カナダ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランドなどの英語圏をはじめ、世界160か国、11,500以上の大学・大学院・その他機関で活用されています。
特にアメリカの大学で広く採用されています。
受験料はUS$245です。
TOEFL®のスコア
TOEFLは「Reading」「Listening」「Speaking」「Writing」の4つのセクションに分かれていて、各30点で合計120点満点です。
合計スコア | 英語力 |
---|---|
100点以上(英検1級以上) | 聞いたり読んだりすべての分野で簡単に理解することができる。文章も理論立てて組み立てることができ、ネイティブとほとんど遜色ないレベル |
90点(英検1級相当) | 流暢で自然な英語を使え、ネイティブとの会話でもほとんど困ることがないレベル |
80点(英検準1級相当) | 中上級レベルの英語力、通常の生活や学校生活に支障がないレベル |
70点(英検1級相当) | 海外の4年制大学での授業についていけるレベル |
60点(英検準1級相当) | 英語圏の国での生活をスムーズに送れるレベル。文章は文法的に少し間違えることがある。海外の4年制大学に出願できるスコア。 |
50点(英検2級相当) | 簡単な受け答えと、会話を少しふくらますことができる英語力 |
TOEFLのテスト内容
「Reading」「Listening」「Speaking」「Writing」の4つのセクションがあり、テスト時間は3時間ほどです。
- Reading:アカデミックな長文読解問題(1パッセージ約700語) 自然科学、社会科学、芸術など幅広い分野
- Listening:講義と会話の2種類で構成
- Speaking: マイクを通して録音 身近なトピックについて意見を述べる 準備15秒 解答45秒
- Writing:読んで聞いた内容を要約してエッセイ形式でタイピング
IELTS
IELTSもTOEFL同様、大学や大学院への入学で必要な英語テストです。
元々はイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの大学出願用に作られた英語テストですが、現在は、世界的にも多くの教育機関で英語力測定のテストとして採用されています。
各地で毎年350万人が受験しています。
IELTSは英語4技能であるリスニング、スピーキング、リーディング、ライティングをテストする試験です。
スピーキングにおいては試験管との面談形式のテストがあります。対面形式のスピーキングがあるため、ほかのほかのテストよりも難しいと感じる人が多いです。
IELTSテストはIELTS AcademicとIELTS General Trainingの2種類あります。
Academicは大学や大学院入学用で、試験内容も大学の講義や学生生活に関するアカデミックなものに限定されています。
General Trainingは、特に限定されておらず日常生活全般の英語力を測るテストで、英語圏での就職や移住の際のビザ申請にスコアが使用されます。
一般的に日本人が受けるのはアカデミックのほうが多いです。
受験費用は、コンピューター形式が26,400円、ペーパー形式は25,380円です。
IELTSのスコア
IELTSのスコアは4技能(リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング)の平均最終スコアとなります。スコアは1から9までで最終スコアは、6.5など0.5刻みになります。
IELTSのテスト内容
IELTSは4つのパートに分かれており、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングで構成されています。試験時間はトータルで3時間弱です。
- リスニング(約30分) 日常生活と大学での講義での会話やモノローグの音声を聞き解答します。
- スピーキング(約15分) 試験官と1対1の対面で自己紹介、インタビュー形式での質疑応答、スピーチ、ディスカッションを行います。
- リーディング(60分) 実際に使用されている書籍、雑誌、新聞からの抜粋をベースにした試験で、読解力が測られます。
- ライティング(60分)グラフなどを見ての要約しての説明とエッセイの作成
TOEIC®
TOEIC®は、主に就職などで使える英語テストです。日本語では国際コミュニケーション英語能力テストと呼ばれています。
測る技能によって5種類のテストがありますが、日本で一般的に受けられているのは、試験内容がリスニングとリーディングのみの「TOEIC®Listening & Reading Test」です。
TOEIC®L&Rの日本での受講者数は年間150万人以上です。
テスト範囲が狭いため、他のテストに比べると比較的スコアが取りやすいテストだと思います。
年10回受験することができます。
他のテストと違い、アカデミックな内容ではなく仕事に関連した内容がテストに出題されます。
名前にBridgeがついているのは初中級者向けのテストです。
- TOEIC® Listening & Reading Test
- TOEIC® Speaking & Writing Tests
- TOEIC® Speaking Test
- TOEIC Bridge® Listening & Reading Tests
- TOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests
TOEIC®のスコア
日本ではTOEIC®Listening & Reading Test(L&R)が主流なので、TOEIC®Listening & Reading Testに絞ってご説明します。
TOEIC®L&Rのスコアは、リスニング5~495点、リーディング5~495点の二つのセクションを足した合計が最終スコアになります。
合計スコアは10~990点のスコアで、5点刻みで表示されます。平均スコアは580点ほどです。
履歴書など就職でTOEICのスコアを記載する場合、600点以上あるとアピール材料になります。
- 900点:ビジネス環境での複雑な英文の読解とリスニングについて、まったく不自由なく自然に理解できるレベル
- 800点:基本的な内容であれば問題なく英語で業務を行えるレベル
- 700点:海外部門など頻繁に英語を使う部署で必要な最低スコア
- 600点:企業が一般社員に求めるTOEICスコアで、間違えながらもなんとか英語で業務を行えるレベル
TOEIC®のテスト内容
TOEIC L&Rはリスニング(約45分間・100問)、リーディング(75分間・100問)の2つのパートで構成されています。すべてマークシート方式で解答します。
リスニングセクション
リスニングは約45分間のテストで、合計100問(写真描写問題6問、応答問題25問、会話問題39問、説明文問題30問)です。
リーディングセクション
リーディングは75分間、合計100問のテストで、問題を読んでマークシートで解答します。いくつかのパートに分かれていて、短文穴埋め問題30問、長文穴埋め問題16問、1つの文書:29問 複数の文書:25問の構成です。
VERSANT
VERSANTは、多くの英語コーチングスクールで成果判定に使われる試験です。
オンラインでいつでも受講でき試験結果もすぐにわかる最も手軽に受けられる英語テストです。
VERSANTには3種類あります。
- VERSANTスピーキング 質問を即座に理解し、的確に答える力を測るテスト
- VERSANTライティング 語彙や文法の正確さ、丁寧な文章などのライティング力を測るテスト
- VERSANTプレイスメント 4技能(話す、聞く、読む、書く)を総合的に測るテスト
スピーキングテストが最もポピュラーで、英語を聞いて瞬時に内容を理解し、的確に応答する能力が必要な実践の英語力が測れるテストです。
受験費用は1回5,500円(税込)です。
VERSANTのスコア
VERSANTのスコアは、20点から80点で採点されます。
VERSANTは46点が中級者レベルの目安になります。
- 79〜80 ネイティブスピーカと対等に話せるレベル
- 68~78 幅広く様々ことについて高いレベルで英語でコミュニケーションが取れるレベル
- 57〜67 自分の専門領域では複雑な内容も理解でき話すこともできるレベル
- 46~56 中級レベル 英語圏に観光に行き一人でほとんどのことがで問題なく行えるレベル
VERSANTのテスト内容
VERSANTスピーキングテストはテスト時間が約20分で出題数は全部で63問です。
- 音読 8問
- 復唱 16問
- 質問 24問
- 文の構築 10問
- ストーリーリテリング 3問
- 自由回答 2問
VERSANTライティングテストは出題数42問のテストで、5つのパートがあります。
- タイピング 1問
- 空欄補助 20問
- ディクテーション 16問
- 文章再構成 4問
- Eメール記述 1問
VERSANTプレイスメントテストは、4技能(スピーキング、リスニング、ライティング、リーディング)を総合的に測定する試験です。出題数は9パートに分かれていて、全部で81問です。
- 音読 2問
- 復唱 16問
- 文の構築 10問
- 会話 12問
- タイピング 1問
- 空欄補助 20問
- ディクテーション 16問
- 文章再構成 3問
- 要約と意見 1問
まとめ
以上が日本でよく受けられている英語テストの一覧です。
下記はVersantとTOEICの換算表です。
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